音楽は暴利をむさぼってきた。それは本当に意地汚い所業だった。いや,音楽は,一部の卑しい人々によって食われていたんだ。ナップスターは,それに対する回答でもあるし,本来の音楽の姿を考えさせてくれる道具となっている。
ついこのあいだまで,ウェブ上に存在した真の「キラー」アプリケーションとは,ブラウザだけだった。それ以来人々は,次なる凄腕の「殺し屋」が何かを見守ってきた。そしてそれは,ナップスター社のナップスターだ。MP3ファイルをユーザー同士で共有し,それを検索するソフトで,米国レコード工業会にとってはまさに「キラー」アプリ。だが音楽業界はMP3の発展に貢献するべきだ。CDの価格を切り下げ,音楽の流通を変革することで,より高い利益を手に入れることができるのだから。
前回の記事で述べなかったことが,この記事に詰まっている。ナップスターがこの先,どのような道をたどるのかは,想像することができない。記事にあるように,誰も音楽を売っているわけではない。それで儲けを得ようとしているわけでもない。ただ,手持ちの_いい_音楽がシェアされて,検索から_新しい_音に出会えることが嬉しい,楽しい。それだけだ。
日本で音楽CDが出てから15,6年くらい経つだろうか。CD-Rの普及によるCDメディアの低価格化は,当然音楽CDの価格に反映されてよかったはずだ。だがそれを見ることはなかった。MP3のやり取りが行われ,CD-Rで音楽CDが複製されているにも関わらず,音楽CDの売れ行きがそれほど落ちていないのはどういう意味なのか,_彼ら_は考えたことがあるのか。まっ,考えられないほどの頭の悪さが,事態を硬直化させているのだろう。今,音楽は変わる時期にある。ここで変わらなければ,いつか,破滅を見てしまうだろう。そのために,ナップスターは使われる,べきだ。今現在も,世界中から,50万のMP3ファイル,およそ2000ギガバイトが,共有されている。
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